グズでもアホでも下手でも読め! その①『町でいちばんの美女』

始まりました。
「グズでもアホでも下手でも読め!」のコーナーです。
タイトルは一人ごっつからパクってますが、そんなことはどうでもいいですね。


最近、関東に転居致しまして、以前なら車で通勤していたのですが、今はバスや電車のお世話になる日々です。

そんな通勤途中の無駄な時間の合間にオススメの本がコチラ。


『町でいちばんの美女』 
著 チャールズ・ブコウスキー




この本は短編集です。
それも、超短編の部類になるのでしょうか。
大体400Pあるんですけど、一つの作品が10P程度で、読むのが遅くても15分ほどで一作は読めちゃいます。
なので、通勤等の暇な時間には最適なんですね。
僕も読むのが遅くて、例えばエッセイとかだと、割と長いことウダウダ書いてたり、中途半端な箇所で目的地に到着してしまったりと、案外読み進めるのが難しいと思うんです。 それに、エッセイって、割と面白いの多いじゃないですか。通勤の電車で笑いを堪えるのもしんどいし、どうせなら「がはは」と笑いながら読みたい時もありますよね。
なので、エッセイではなく、手頃な短編を探していたのですが、そんなときに見つけたのが『町でいちばんの美女』です。


肝心の内容ですが、とにかく汚いです。 今ざっとページを開いても「射精」「勃起」「おまんこ」「死体」etc.の言葉が縦横無尽に並んでいます。
そんなクソまみれの内容を朝の通勤に読めるなんて最高ですよね。 あとランダムに開いても大体汚い言葉があるのって凄いですよね。


しかし、その汚い言葉の裏腹に隠れたストーリーは、悲しくて切ない気持ちになるのもあります。

表題でもある『町でいちばんの美女』は、男と女の話です。
綺麗な容姿の女と醜い容姿の男が惹かれ合うのですが、二人の想いは同じでも、一緒にはなれない運命には逆らえません。 そんな中でも、二人の時間を共有し、ときに傷付け合い、そしてまた出会い、二人は互いの存在を認め合う、というのが大体のあらすじ ですが、結末は悲しく切ないのです。


チャールズ・ブコウスキーは決して気取らず、ある種の矛盾ではありますが、とても真面目に汚い言葉を読者に浴びせかけてきます。
しかし、その真面目さは、読んでいるうちに、その他の不真面目な真面目を気取った作家よりも、僕は心に響く気がしました。

ここでいう心に響く、というのは「あぁ、感動した」とかではなく、「あぁ、クソを見た」という一種の倦怠感にあります。 感動する世界が全てではないのですが、その裏側にあるクソの世界というのは、あまり感動的ではありません。
当然ながら、クソなので、世間一般での「感動」とはワケが違います。 この本における「感動」とは、クソの自分がブコウスキーにクソをぶっ掛けられる、ある種の精神的スカトロジーにあるのではないか、と僕は思いました。

この超短編のほとんどは、「酒とセックスとクソみたいな人間」で成り立ってます。
「酒とセックス」なんて、割とありふれてるテーマではあるのですが、ブコウスキーはそこだけでは終わりません。 そのクソみたいな世界に、ほんの少しの、極々僅かの愛情とユーモアで、作品を書き上げています。
「結局世間はクソだ」と言いたい人間はこの世のなかにどれだけいることでしょうか。僕もその一人なワケです。 そんな人間にとって、ブコウスキーの本は一つのバイブルになるのかもしれませんね。
もちろん、クソとは無縁の幸せキラキラ人間には、何一つ読んでも響くものがないかもしれません。 なんせ、書いてる内容はホント汚いです。なので、クソのクソの為の作家として、ブコウスキーは一人数えられる、稀有な作家だと思っています。

一つ難点は、ブコウスキーの本ってあまり書店に無いんですよね。 道路に書店があれば立ち寄ってしまうのですが、これまで立ち寄った書店のなかでも、1・2件しかなかったです。 都会の大きな書店にはあるのでしょうが、地方住まいのクソ人間からすると、なかなか読めない、そんな部分が難点ですね。 あ、もちろんアマゾンや楽天にはありますので、ネットで買うしかない人は、是非。



というわけで、第一回から図らずとも「グズでもアホでも下手でも読め!」という言葉が当てはまる本になってしまいました。
冒頭に述べたように、いま関東に転居して一ヶ月弱なんですけど、その時に持ってきた本の一つが『町でいちばんの美女』でした。 なので、サクッと紹介してみました。

次はクソに薦める本ではなく、大多数に薦める本を紹介しよう、と思っています。 いや、紹介というか、感想になるのでしょうか。その中間として。
悪文、お粗末様ですが、暇潰しの手前よろしくお願いします。